旧社名 (有)米澤神仏具製作所  
     
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平成22年(2010)2月10日発行 発行所 法蔵館(担当 満田 みすず)
ひとりふたり・・  くらしと仏教  春彼岸を迎える
受け継がれる願い   米澤 正文
  現在、お仏壇の多くが中国などの外国で作られていることをご存知でしょうか。ほとんどが仏壇・仏具屋を通して購入や修理されるため、依頼者と作り手が接することはほとんどありません。
 私の家は代々神仏具作りに携わっています。仕事の9割近くが仏壇・仏具屋を通してのものですが、長年続けていると、時折地元の方々から直接ご注文をいただくこともあります。
ある時、ご縁あってお仏壇の修理をしてほしいという方と知り合うことがありました。ご自宅にうかがいお仏壇の状態を拝見していると、引き出しからお仏壇の一部がゴロンと出てきました。訳を聞くと、壊したことで何かあるのではないかと怖くなり、知らぬふりして何年もしまいこんでいたというのです。また、もしかしたら修理代が高額になるのではと思い、そのままにしていたとのこと。
ではなぜ修理をする気になったのかと、私は尋ねてみました。その方は、このように答えられました。「昔は仏壇なんて気にしたこともありませんでした。でも歳をとり、子や孫たちのことを思うようになった頃から、私の親やそのまた親が大切にし私へと伝えてくれたものを、私もまた次へ伝えたいと考えるようになったのです。そして、今までは訳もわからず放っておいたものを何とかしようと、ようやく思い至ったのです。」
製作や修理を望まれる方と接すると、お仏壇には様々な願いが寄せられていることを知らされます。
皆さんの家にあるお仏壇も同じです。大事に受け継がれてきた、大切なものなのです。
 
   
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